会社さまによっては
複数業種の建設業許可を取得しておられますが、
実際に入札で受注したい業種は「土木のみ」とか「管工事でもっと受注したい」といったケースが多いようです。
そんな時にお勧めしたいテクニックが振替(積上げ)です。
振替(積上げ)とは簡単に言うと特定の業種へ他の業種から完成工事高を加算して処理する方法です。
例えば、事業年度における土木工事の完成工事高が48,000千円
同 とび・土工工事の完成工事高が12,000千円の場合、
経審に於いて土木工事の完成工事高を60,000千円(48,000+12,000)として申告できるということです。
その結果、土木工事の完成工事高を当初よりも125%増とすることができます。
当然、土木工事の総合評定値Pのアップにつながります。
もちろんどの業種でも無制限に合算できるわけではありませんし、振替(積上げ)にもメリットとデメリットがあります。
このページのポイント
・振替(積上げ)のメリット
・ 〃 デメリット
・ 〃 における各業種の関係
以下に順番にご説明してまいります。
・振替(積上げ)のメリット
1.総合評定値Pの大幅アップにつながる
上記においても触れましたが、完成工事高が増えるということはおのずと総合評点値Pもアップします。
きっとどの会社さまも総合評点値Pを上げるために、たくさんの努力をなさっていると思います。
中には、保険の加入や建設機械の保有、さらにはISOの取得といった方法をご検討されている方もおられるかもしれません。
たしかに、その他の社会性の項目も重要なファクターですが、総合評点値Pに最も影響を与える項目は完成工事高を増やすことです。
その点、振替(積上げ)を行うなら、完成工事高を直接大幅増することが可能です。
2.申請手数料が減る
経審においては申請する業種の数によって申請手数料が増えていきます。
たとえば、5業種(土・と・石・舗装・水)の許可を持っている場合、そのまま全ての業種で経審を申請すると手数料は21,000円ですが
振替(積上げ)をして 2業種(土・舗)にまとめるなら手数料は13,500円となります。
まとめ・・・振替(積上げ)のメリット
総合評点値Pはアップさせて申請手数料は減らせるということが可能になる
・振替(積上げ)のデメリット
1.振替元の業種が入札参加できなくなる
例えば土木工事の中にとび・土工工事を加算したとしましょう。
振替先の業種が土木、振替元の業種がとび・土工となります。
この場合、発注側の工事種別において「とび・土工工事」として分類されている工事には入札参加が出来なくなります。
その理由は、とび・土工工事の分を土木工事に含めて経審を受審している場合、とび・土工工事は経審を受審できないため当然入札参加資格も無いということになるからです。
まとめ・・・自社にとってどの業種での入札参加が必要なのかよく考える
振替(積上げ)可能な業種とは
土木一式工事へ振替(積上げ)可能な業種
・とび・土工工事
・石工事
・舗装工事
・しゅんせつ工事
・水道施設工事
など
建築一式工事へ振替(積上げ)可能な業種
・大工工事
・左官工事
・屋根工事
・タイル・レンガ・ブロック工事
・鉄筋工事
・塗装工事
・防水工事
・内装仕上工事
・建具工事
など
相互に振替(積上げ)可能な業種
・電気工事と電気通信工事
・管工事と熱絶縁工事
・とび・土工工事と造園工事
など
実際に各業種間において振替(積上げ)が可能かどうかは
・工事の内容に応じて
・工事の性質に応じて
などに基づいて判断されます。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
兵庫県の経審はぜひ弊所までお声がけください。